第24回 「太陽系には海がいっぱい? 氷の天体に隠れた海と生命」

第24回 動物園前サイエンスカフェ のお知らせ

「太陽系には海がいっぱい? 氷の天体に隠れた海と生命」

話題提供: 木村 淳 さん(大阪大学大学院理学研究科)
日 時: 2017年 11月 18日(土) 14時~16時
場 所: 動物園前1番街 イベントスペース
*参加無料・予約不要です。 ただし、満席の場合にはご容赦ください。

24回
スポンサーサイト

Tag:イベント予定  Trackback:0 comment:0 

第23回動物園前サイエンスカフェ「大阪の来るべき地震に備える」

23回
巨大地震、東日本大震災によって発生した大津波が街を飲み込んでゆく恐ろしい光景は、私たちに強い衝撃を与えました。しかし、それは東北地方だけのことではなく、同じ規模の巨大地震、「南海トラフ地震」が近い将来起こることが予測されています。南海トラフは、東海から九州の太平洋側沖合で、フィリピン海洋プレートが沈み込んでゆく深い溝のことです。その沈み込み部分に蓄積された歪みを解消するために、ユーラシア大陸プレートが一気に跳ね上がることで、マグニチュード(地震の規模)9クラスの巨大地震が発生します。
南海トラフの西の端から断層が割れ始めるとすると、秒速3kmを超えるスピードでその割れが東に進んでゆきます。しかし、南海トラフは全長700kmもあるので、地震の揺れは3分も続くことになります。この長時間続く大きな揺れは、東日本大震災でも経験されました。大阪では震度(地震の強さ)6クラスの揺れになりますが、それが3分も続くことになります。大阪平野はもともと海底であったところに、土砂が堆積してできた土地なので、地盤が軟弱で、揺れが長時間続くと液状化し、そのことによって、建物や堤防などの大きな構造物が沈んだり、崩壊することも心配されると、田結庄さんは解説しました。
DSC01488.jpg
東日本大震災と同じメカニズムで発生する南海トラフ地震でも巨大津波が発生します。大阪の場合には、高知沖が震源域になった場合に、大きな津波が来ると予想されるそうです。大阪湾では一番奥まった淀川河口域で、津波高さが最大になります。津波は波ではなく、高速で押し寄せる水流と考えられます。そのため、たった水深30cmの津波でも人間は流されてしまうことに。さらに防潮堤を乗り越えて押し寄せる津波は、津波高さの1.5倍も高い場所まで遡上します。これを「遡上高さ」と言います。西成区や浪速区の海抜は2m位なので、液状化で堤防が崩れた場合には、津波被害は避けられないと思われます。
大阪の場合、さらに深刻なのは、湾岸域にたくさんの石油類が貯蔵されていて、地震で4万キロリットルもの油が流出し、それらは施設内に留まらず、津波によって市街域に流れ込んでくることに。それらにはほぼ確実に火が付くので、津波が街に火災を運んでくることになります。
DSC01494.jpg
サイエンスカフェには、西成区の防災担当の職員の方にも参加していただきました。西成区は、これまでも災害への備えと災害時の助け合いについて理解を広めるため、防災担当職員による出前講座を実施して来ました。しかし、今回のサイエンスカフェでは、地震災害によって、それぞれの地域ごとに可能な限り具体的に何が起こるのかを知っておくことがとても大切であることを、防災担当職員の方にも認識していただけたのではないでしょうか。
地震で具体的に何が起こるかを知ることによってはじめて地域に必要な対策も明らかになり、一般的な注意喚起に留まらない地域住民の行動計画も策定できるようになります。しかし、それは区役所の対応できるレベルを超えてしまっているので、大阪市や大阪府が大学・研究機関と協力して進めるべきでないかということが議論されました。

Tag:当日の様子  Trackback:0 comment:0 

第23回動物園前サイエンスカフェ 『大阪の来るべき地震に備える』

23回
必ずやって来る地震に、私たちはどう備えたらよいのでしょうか?
南海トラフ地震の被害予測について、田結庄さんにお話ししていただいた後、西成区役所市民協働課から防災担当職員も加わり、参加者で地域の地震対策を具体的に考えます。
皆さんの参加をお待ちしております。
参加無料。
予約不要ですが、参加多数で満席の場合はご容赦ください。

第23回動物園前サイエンスカフェ 『大阪の来るべき地震に備える』
話題提供: 田結庄良昭(たいのしょうよしあき)さん(神戸大学名誉教授)
日 時: 2017年5月13日(土)14時~16時
場 所: 動物園前1番街イベントスペース
主 催: 飛田本通商店街振興組合・大阪大学基礎セミナー「街に出てサイエンスカフェをやってみよう」

最寄り駅からのアクセス: JR新今宮(東改札口を出て、東に200m、山王交差点を渡り、商店街アーケードを進む)、地下鉄動物園前(2番出口直ぐのアーケードを進む)
map.jpg

Tag:イベント予定  Trackback:0 comment:0 

第23回動物園前サイエンスカフェ 『大阪の来るべき地震に備える』

23回
東日本大震災以来、日本列島の地震が活発化しています。次に起こる巨大地震として、南海トラフ地震が挙げられています。予想される規模はM8~9クラスで、30年以内の発生確率は70%とされています。さらに、動物園前商店街のすぐ脇を並行して走り、大阪の真ん中を南北に貫く上町断層は動くことはないのでしょうか?必ずやって来る地震に、私たちはどう備えたらよいのでしょうか?参加者みんなで考えます。

第23回動物園前サイエンスカフェ 『大阪の来るべき地震に備える』
話題提供: 田結庄良昭さん(神戸大学名誉教授)
日 時: 2017年5月13日(土)14時~16時
場 所: 動物園前1番街イベントスペース
主 催: 飛田本通商店街振興組合・大阪大学基礎セミナー「街に出てサイエンスカフェをやってみよう」
jishin_house.png


...more

Tag:イベント予定  Trackback:1 comment:0 

マグロ養殖は持続可能なのか

 大阪市西成区の商店街、動物園前1番街が主催する「動物園前サイエンスカフェ」は、1月28日、おとなしいマグロを作出してマグロ完全養殖に役立てるというゲノム編集技術の産業利用について知るために、水産研究・教育機構西海区水産研究所(長崎市)から玄浩一郎さんを話題提供者に招きました。この企画は、農水省の「農林水産先端技術の社会実装の加速化のためのアウトリーチ活動強化委託事業」による講師派遣を利用させていただきました。農水省は、この「アウトリーチ活動」支援によって、遺伝子組換え農水産作物の社会的受容を向上させようとしています。

DSC01467.jpg

 2014年11月、国際自然保護連合IUCNは太平洋クロマグロを絶滅危惧種に指定しました。これは近年、マグロの需要が国際的に高まる一方で、個体数が減り続けていることによります。実は、太平洋クロマグロは、日本近海で産卵、稚魚から幼魚まで成長し、やがて太平洋を横断するまでの成魚になるということが、最近になってようやく分かってきたそうです。日本では、これまでも、マグロの養殖がおこなわれてきましたが、それは日本近海で育った天然幼魚を捕獲し、それを生簀に移して育てるというものでした。これでは、天然のマグロが枯渇すると養殖も成り立たなくなってしまいます。

 このようなことから、マグロの受精卵から成魚までの完全養殖への関心が高まっていました。良く知られているように、近畿大学は2002年にマグロの完全養殖に成功し、既に近大マグロというブランドで市場に流通しています。

 日本近海で、雌マグロは海面近くを泳ぎながら、直径1 mmの卵を何100万個も放卵、この雌を追う雄マグロが海水中に精子を放出して受精します。卵は小さく卵黄をほとんど持たないため、孵化した稚魚は直ちにプランクトンを捕食するようになります。さらに共食いもしながら、わずか3か月で30 cmにまで成長。つまり、マグロはたくさんの卵を産んで、そのたくさんの稚魚に海の栄養を広くかき集めさせ、やがて結果的にそれらが少数の成魚の体を作ってゆくという生存戦略を取っています。

DSC01465.jpg

 マグロは高速で泳ぐ魚です。紡錘形の体や鰭の形、表皮までも、水の抵抗を減らし高速遊泳に適しするよう進化しています。一方、マグロは自分で鰓を動かすことをしないので、常に泳いでいないと呼吸困難になって死んでしまいます。そのため、マグロの養殖のためには、直径40 m、水深20 mもの大きな生簀が必要になります。

 マグロは光などの刺激に敏感に反応して、瞬発的に時速60kmもの高速で泳ぎ、その結果生簀の網に激突して死ぬということもよくあるそうです。また、日本海で行われている天然マグロ漁では、網が使われていますが、捕獲する時にマグロが激しく暴れ、体温が上昇し肉が「焼ける」という現象を起こすそうです。焼けてしまった肉は著しく食味が劣化するのですが、それらは回転ずしに出荷されてゆくとのこと。天然物で有名な大間マグロであっても、捕獲に時間がかかり暴れたときにはやはり肉が焼けてしまうそうで、天然マグロには当たりはずれがある。その点、養殖マグロはよく管理されているので、めったにはずれは無いそうです。

 西海区水産研究所の玄さんたちは、マグロ養殖をより容易にすることを目指し、刺激に敏感な反応に関与する遺伝子をゲノム編集技術で切断し、「おとなしい」マグロ稚魚を作ることに成功しました。しかし、実際にはマグロは、サケのように人工授精ができないので、水槽で飼ったマグロが産卵受精するのをひたすら待ち、産卵したら直ちに水槽から受精卵を回収、卵割が始まる1時間ほどの間に素早く、顕微鏡の下で1個1個卵に人工制限酵素を注入するという気の遠くなるような作業をせねばなりませんでした。

 また、そもそもたくさんの卵からわずかの成魚が成長するというマグロの生存戦略のため、遺伝子操作を成功させた稚魚を成魚まで成長させるのもたいへんです。しかし、一旦「おとなしい」マグロが成魚まで成長すれば、その子もおとなしい遺伝子を保持しているので、おとなしいマグロの完全養殖のサイクルが可能になります。

 しかし、完全養殖といっても、今のところマグロの養殖には人工飼料はなく、マグロを1 kg成長させるのに、15kgものサバが与えられているそうです。マグロは太平洋の生態系の頂点にあります。人間はそのマグロを日常の食卓に乗せ続けようとする。気候変動とも関連し、地球規模で漁業資源が減少し続けている中、はたしてマグロ養殖は持続可能なのでしょうか?遺伝子操作の産業利用を考えるという企画でしたが、むしろ海洋生態系と食のあり方を考えるサイエンスカフェになりました。

Tag:当日の様子  Trackback:0 comment:0 

プロフィール

zoomae

Author:zoomae
動物園前サイエンスカフェの企画運営をしています。
ご感想など頂けると幸いです。

最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR