氷の天体に隠れた海と生命

11月18日(土)、動物園前では久しぶりの天文の話題。地球外生命の探索というテーマでは、5年前の第1回以来。中学生や親子での参加もありました。
生命の源と言われている水は、実は宇宙空間ではありふれた物質。問題は、生命が誕生するには、液体の水が存在すること。太陽系では、ちょうど地球が表面に海が存在。しかし、地球より太陽に近い金星は灼熱地獄、地球の外側の火星は昔海があったかもしれないが、大気も希薄で、砂嵐の吹き荒れる乾いた世界。太陽系で海のある惑星は、地球だけなので、かつては太陽系で生命が存在するのは地球だけかもしれないと思われていました。

ところが、最近、木星や土星の衛星には、表面が氷におおわれているだけでなく、内部にはたくさんの液体の水を蓄えているらしいことが分かってきました。木星の氷惑星エウロパは地球の海よりも多い水を蓄えているらしい。惑星科学を研究する木村さんは、最近の惑星探査によって、それらがどれくらい確かになってきたのかを解説しました。土星の衛星の氷の割れ目から噴き出すガスには、アンモニアやメタンが含まれてることも惑星探査機で確認されたそうです。これらの衛星も地球と変わらない年齢なので、その海には独自に進化した生き物が棲んでいるかもしれません。さらに想像を膨らませると、生命もまた宇宙の中でありふれた存在なのかも。
日本とヨーロッパチームは、2022年に木星の衛星へ探査機を打ち上げ、2029年に木星に到達するそうです。今日のサイエンスカフェに参加してくれた中学生は、そのころ大学でその探査機の観測結果を手にして研究に没頭しているのかもしれません。
夢の広がるサイエンスカフェでした。
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