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第26回 私たちの知らないクモの暮らし

第26回となった動物園前サイエンスカフェはクモの話でした。子どものときからクモに興味を持ち続けて、クモの研究者となった加村隆英さんにお話しいただきました。日本には蜘蛛学会もあり、300人もの会員が研究活動をしているそうです。

加村

はじめに、クモはその暮らしぶりから、造網、徘徊、地中に潜むの3つに分類されることが紹介されました。造網とは巣を張ることですが、実はクモの巣は、巣ではなく、獲物を捕らえる罠、住処は近くの安全な場所に。強くて弾力性のある糸を使って獲物を魚釣りのように釣り上げるクモもいるそうです。

クモが網を張る手順も決まっているそうで、先ず縦糸を張り、その次に内側から粘着性の無い足場糸を外側にむかって円周状に貼ってゆき、最後に外側から内側に足場糸を外しながら、粘着糸を張ってゆき網を完成させます。粘着糸は糸そのものに粘着があるのではなく、粘着性のある液体を粘球として付着させているとのこと。
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ハエトリグモは、徘徊性のクモで、獲物を捉えるため両眼視できるとても良い目を持っているそうです。ただし、クモには8つ眼があります。トタテグモは地中に棲み、巣の扉の隙間から外を覗いていて、近くを通りかかった獲物を素早く捕らえて巣に引きずり込みます。

クモは風まかせですが、空を飛ぶこともできます。小さい子どものクモは糸を出して風に乗り、長距離を移動することができるそうです。うまく上空まで舞い上がってジェット気流に乗れば、大陸間も移動できるとのこと。

加村さんは、今でもクモの研究はあまり進んでおらず、生活史も分からないものが多いと言われました。その原因は飼育が難しいから。実際にクモの生活史を明らかにするため、30個の卵からクモを育てたけれど最後に大人になったのはたった1匹であったという経験も紹介されました。その時、突然変異で飛べないショウジョウバエを飼育して、それを肉食のクモのえさにしたそうです。

参加者からは、昆虫にくらべてクモは多様性が少ないのではないかという質問。これに対して、加村さんは、私たちがクモと言っているのは狭義のクモであって、ダニも含めると非常に大きな動物のグループを形成していると答えました。

chugatakogane[1]
また、ポスターにあるコガネグモの巣には、なぜジグザクの模様が放射状にあるのかという質問も。これに対して、加村さんはこれは白帯と呼ばれており、餌昆虫の誘引や鳥に対しての警告など諸説あるとのこと。人間の身近に実はたくさんいるクモの暮らしを知ることができて、彼らにちょっと愛着がわいた気にもなりました。さらに、生物進化の不思議も垣間見ることができたサイエンスカフェでした。
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Tag:当日の様子  Trackback:0 comment:0 

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